カンナビの井戸(cannabinoid)

「カンナビノイド審査委員会」のCBD審査制度にちょっとツッコミ【前編】

「カンナビノイド審査委員会」のCBD審査制度にちょっとツッコミ【前編】

こんにちは、 カンナビジオール (CBD) 情報局「カンナビの井戸」の「かんなび」です。

1月も今日で終わり。新年を祝ったのはついこの間ですが、2020年も早や1/12が過ぎてしまいましたね。

さて、2月からCBD製品の審査制度が導入されることをご存じですか?

2月の1日スタートということではないのかもしれませんが、日本化粧品協会が昨年11月に立ち上げた「カンナビノイド審査委員会」が2月からCBD製品の審査・登録制度を始めることになっています。

 「カンナビノイド審査委員会」
 (一般社団法人日本化粧品協会公式サイト内)
  https://japan-ca.jp/cbd/

【2020.6.4 追跡記事】

事件は会議室で起きているんじゃ(な)い! カンナビノイド審査委員会がCBD事件調査結果を公表

審査を受けることに関して、強制力などがある制度ではないのですが、審査に合格した製品にはお墨付きを与えることと、いわゆる啓発活動も並行して行うことで、不合格や未審査の製品を市場から締め出すことを狙っているようです。

実はこの情報を知った時に「おや?」と思ったことがありました。運営母体は日本「化粧品」協会なのに、審査対象のカテゴリーには「(健康)食品など」とあったからです。

協会サイトのトップページのメニューには「協会について」や「事業内容」と同列で「カンナビノイド」という項目があるのでかなりの存在感です。「CBD製品市場全体の健全化のために立ち上がった!」という感じでしょうか。

それはさておき、市場の健全化という観点からは良いのですが、いくつか気になる点もあるので、軽くツッコミを入れることにしました。

上記「カンナビノイド審査委員会」リンクのページ内の項目に沿ってコメントをするので、以下、1.~7.のカッコ内の見出しは委員会ページ内の見出しと一致させています。今後、ページが更新された場合は必要に応じて追記しますね。
【2020.6.4 追記】
2020年5月25日に同委員会が厚生労働省(医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課)と行った「既存CBD製品 監視調査結果 連絡会」での報告内容の一部を最新情報として冒頭に掲載しているほか、メニュー項目の入れ替えや情報追加など、下記【2020.4.18 追記】以降も協会サイト(委員会ページ)の掲載内容に大幅な変更がありました。本ブログ記事の各見出しは同ページの当初公開時の見出しと一致しています。

1.「CBD とは」の項

【2020.6.4 追記】
委員会ページでは一部の項目の順序や位置に変更があったほか、この項目の終盤には、厚生労働省が2020年4月1日に公表した「CBDオイル等のCBD製品の輸入を検討されている方へ」と題した文書からの引用情報が追加掲載されています。

この項では冒頭に、カンナビノイドの二大巨頭(?)、CBDとTHCの解説があります。そのCBDの方の説明として、「精神活性作用はもちろん、習慣性や依存性もない。」とありますが、海外の権威ある論文等のエビデンスとしては、習慣性や依存性に関してはまだ「精神活性作用はなく、習慣性や依存性もないとされる。」とすべき段階のはず。

ニコチンやアルコール、カフェインほどではないとしても、「ない」と断言できるようになるまでには相当な研究が必要でしょう。

…と書いたところで、 最初に「おや?」と感じたのは、 「精神活性作用はもちろん」の「もちろん」という部分に、書き手側の偏ったスタンスを感じたためだと気が付きました。
【2020.4.18 追記】
上記の「はもちろん」は本記事での指摘後に削除されました。

この項にはこのほか、「CBDに関する主な歴史」や「CBDのよくあるご質問」など、参考になるマメ知識的な情報が書かれています。

ちなみに、「Q2 いわゆる「医療用大麻」のこと?」では、「CBDと医療用大麻は全く別物です」とありますが、「CBDは大麻の中でも、THCが少なくなるように「品種改良」したものだと考えれば間違いありません」ともあります。CBDは成分なので、恐らく多くのCBD製品に含まれるCBDの抽出元となる「産業用大麻」という意味でCBDと書いたのでしょう。
【2020.4.18 追記】
上記引用文は本記事での指摘後、以下に変更されました。CBDが主語のままということもあり、さらに意味不明になりましたが…
「CBDは大麻の中でも、CBDを多く含み、THCが少なくなるように「品種改良」したものがあり、それを用いてCBDのみを抽出したものだと考えれば間違いはありません」

また、CBDの効能・効果についてもいろいろ書かれています。
製品情報として効能・効果を謳っているわけではないので良いのですが、これにはぶっ飛んでしまいました。

※世界のスキンケア市場では2021年までに、抗炎症、鎮痛、水分補給、保湿、しわを減らすなどの商品やニキビ、湿疹、乾癬などの治療薬などのCBD製品が主流になると予測される。

さすがにここまでのことは北米やヨーロッパのCBD先進国でも起きないでしょう。化粧品と医薬品が混在した説明も気になりますが、そもそも皮膚科系の治療薬で臨床試験などのプロセスがそこまで進んでいるCBD系の治療薬があればかなり話題になっているはずです。
【2020.4.18 追記】
上記引用文は本記事での指摘後、以下に変更されました。
「※近年、世界のスキンケア市場では、抗炎症、鎮痛、水分補給、保湿、しわを減らすなどの製品やニキビ、湿疹、乾癬などの治療薬などのCBD製品が主流になると予測されるのでその反面、消費者は注意が必要です。」

2.「カンナビノイド審査委員会とは」 の項

【2020.6.4 追記】
委員会ページでは一部の項目の順序や位置に変更がありましたが、この項目の内容自体は本ブログ【2020.4.18 追記】当時から変更されていません。

この項では「カンナビノイドに特化した」第三者委員会として、主には国内で成分分析もされずに出回る輸入CBD製品を審査する委員会の発足に至った背景・目的が書かれています。

「違法成分が配合されている可能性が高い製品」の一例として、なぜか「CBD製品と書いてあるのにCBDが含まれていない」というのは違法成分とは別の問題では?とも思いましたが、景品表示法の観点からも審査をするという含みなのかもしれません。

因みに、マリファナがジワジワと解禁され、CBD製品にTHCが含まれることに関して大らかなアメリカでは、この「CBDが(成分表示されているほどは)含まれていない」という「水増し」製品が次々と見つかり問題になっています。

3.「審査対象」 の項

【2020.6.4 追記】
委員会ページでは一部の項目の順序や位置に変更がありましたが、この項目の内容自体は本ブログ【2020.4.18 追記】当時から変更されていません。

ここには前述の通り、審査対象のカテゴリーとして「(健康)食品など」があり、審査対象の形状には「ベープなど」という記述もあります。ベープ、つまり「VAPE(ベイプ)」のリキッドのことですね。

なぜ日本「化粧品」協会が?という点が当初から引っ掛かっているのですが、国内ではCBDをはじめとするカンナビノイド研究でリードする昭和大学薬学部と連携して審査業務を行うようなので、化粧品業界を代表する団体が「早い者勝ち」的に他の商品カテゴリーを囲い込むような展開になったのでしょう。

医学などの他分野でもよくある話ですが、複数の業界にまたがる領域で新しいものが登場すると、複数の学会や団体が主導権争いをすることがあります。市場がアングラ的な部分も含め急成長して健全化が必要な状況になった時などは特に。

CBD製品の場合、主には食品業界と化粧品業界が関わりますが、国内での認知度や規模としては(もちろんCBD関連に限った話として)食品に比べると圧倒的に小さいと思われる化粧品側の業界団体がこのポジションを獲ったことは興味深いですね。

さて、ダラダラと続けてしまいそうなので、一旦ここで区切り入れて、次回は以下について書こうと思います。

 4. 「審査項目」
 5. 「製品に違法性が無いかを完全に確かめるために必要な分析法の研究を行っています」
 6. 「安全なCBD製品には審査済証を発行します」
 7. 「登録および審査までの流れ」

では、また。

上から読んでも下から読んでも「クスリはリスク」…というか、CBDの安全性は?

【徹底解説】「CBDオイル等のCBD製品の輸入を検討されている方へ」(厚生労働省)【前編】