クスリじゃないのよサプリは HA HAN♪
- 2020.10.14
- 更新日:2021.02.19
- 国内

こんにちは、 CBD情報局『カンナビの井戸』のカンナビです。
先日、『CBDオイル選びの決め手はCBD成分の単価!…とはいうものの…』という記事で、日本でも人気のある海外大手3ブランドのCBDオイル製品ラインアップをCBD成分の単価で比較しました。
今日はその続きにもなりますが、その一覧表を使って、市販のCBDオイルの中でも高濃度タイプのものを、このブログでもたびたび取り上げているCBDオイルの最高峰、英GW Pharmaceuticals社のてんかん発作治療薬『Epidiolex(エピディオレックス)』と比べてみたいと思います。
言い換えると、サプリとしてのCBDオイルと薬としてのCBDオイルの、CBD成分限定の単価比較です。
高濃度タイプの市販CBDオイル
まず、市販のCBDオイルの中でも代表的な高濃度タイプをリストアップしてみましょう。
スペースを節約するため一覧表ではブランド名をイニシャル表記しますが、ブランド名とシリーズ名は以下の通り、今回は新たに2ブランドを加えました。
『CBDティンクチャー』
(旧『トリップライン』)
CP:CANNAPRESSO(カンナプレッソ)
『CBDオイル』
CV:CANOVY(キャノヴィ)*
『CBDオイル 33%』
EX:Elixinol(エリクシノール)
『CBDティンクチャー』
HT:hemptouch(ヘンプタッチ)
『CBDオイル ゴールド』
PH:PharmaHemp(ファーマヘンプ)
『CBDドロップス プレミアムブラック』
FC:FUN THE CBD(ファンザシービーディー)*
『CBDティンクチャー
MCT-Oil-PREMIUM』
【2021.2.18 追記】*印の国産ブランド製品(CBD原産は海外)2点を追加しました。またPH(原産:スロベニア)やFC(原産:中国)製品には『フルスペクトラム』という製品表示がありますが、国内流通品の商品説明は欧米で一般的なフルスペクトラムの定義(THC除去せず)に該当しないためブロードスペクトラムとしています。
『高濃度』には特に決まった定義はありませんが、今回対象とするブランドの中でも最高濃度の商品を具合良く拾い出せるよう、ここでは10%以上としています。
また、一覧表の『含有量/1ml』(1mlあたりのCBD成分含有量)と『10mg単価』(10mg換算のCBD成分単価)という項目は前回と同様、メーカーや代理店の公表情報ではなく当ブログで便宜上、算出したものです。
ということで、一覧表はこんな感じになります。
■高濃度の市販CBDオイル
(注:別途記載がない場合、価格は本記事初出時点のものです)
CBD 含有量 |
ボトル 容量 |
CBD 濃度 |
含有量 /1ml |
価格 (税込) |
10mg 単価 |
MT 3,000mg |
30ml | 10.0% | 100mg | 25,704円 | 86円 |
CP 2,000mg |
10ml | 20.0% | 200mg | 26,900円 | 135円 |
CV* 9,000mg |
30ml | 30.0% | 300mg | 52,800円 | 59円 |
EX 1,200mg |
10ml | 12.0% | 120mg | 10,584円 | 88円 |
HT 3,000mg |
10ml | 30.0% | 300mg | 39,800円 | 133円 |
PH 2,400mg |
10ml | 24.0% | 240mg | 38,000円 | 158円 |
FC 9,000mg |
30ml | 30.0% | 300mg | 19,800円 | 22円 |
【2021.2.18 追記】CV(CANOVY)『CBDオイル 33%』は商品表示で33%とされていますが、オイル比重を考慮しない国内外で一般的な濃度表示に統一しています。また、本来はオイルや容器などを除いたCBD成分のみで比較する必要がありますが、ここでは後述する医療用CBDオイル『Epidiolex 』(エピディオレックス)の医薬品としての開発費や付属物の原価なども含む、小売価格に基づく便宜的な単価比較をしています。
ちなみに文字は、以下のように成分構成タイプで色分けしています。
茶字=『ブロードスペクトラム』+『アイソレート(強化用)』
緑字=『ブロードスペクトラム』タイプ
前回の繰り返しになりますが、エリクシノール社のティンクチャー(旧『トリップライン』)は、メーカーによると『フルスペクトラムCBDオイルに、ピュアなCBDパウダーでCBD含有量を強化した』タイプ。
欧米では通常、日本では違法成分とされるTHCが多少なりとも含有・残留しているタイプを『フルスペクトラム』と呼ぶため、このブログでは日本国内で現在流通するフルスペクトラム製品はブロードスペクトラムと解釈して記載しています。
スペクトラムに関しては以下の記事も参照して頂くとして、いよいよメインゲスト(?)、エピディオレックスの登場です。
『Epidiolex 』(エピディオレックス)
さて、エピディオレックスはこの2年ほどの間に欧米やアジアの国々で次々と承認されて処方が可能になった大麻草由来のCBD製剤。
実質的にはCBDオイルとはいえ、サプリではなくあくまでも薬。
薬としては、アメリカでこの7月に追加承認された結節性硬化症も含め、3種類の病気に伴う発作の治療薬としてのみ承認され、大麻草の品種改良から製品開発・製造まで、それに見合うだけのプロセスや品質管理を経たものです。
先ほどの表にエピディオレックスを当てはめてみるとこのようになります。
■Epidiolex (GW Pharmaceuticals社)
CBD 含有量 |
ボトル 容量 |
CBD 濃度 |
含有量 /1ml |
価格 | 10mg 単価 |
10,000mg | 100ml | 10.0% | 100mg | 1,310ドル (約138,400円) |
(約138円) |
価格はアメリカの場合の金額ですが、アメリカには日本のような国民皆保険制度がないため、自己負担額は医療保険の加入の有無や種類などによって変わります。
服用量については先日『CBDにはどんな副作用…の可能性が…?』という記事にも書きましたが、その費用は体重に応じて年間5千ドル〜3万3千ドル(53万円〜350万円)程度と言われています。
ちなみに、エピディオレックスを先ほどのようなタイプ分けするならアイソレート。
MEDTERRA(表では『MT社』)やCANNAPRESSO(同『CP社』)のようなタイプで、カンナビノイド類の相乗効果による『アントラージュ効果』はありません。
さて、ここで医学的な掘り下げはできませんが、最後に、カンナビらしい変化球的な切り口でエピディオレックスをもう少し掘り下げてみましょう。
エピディオレックスを使用する患者は日本に持ち込める?
ということで変化球です。
海外でエピディオレックスを使用する患者はこの薬を日本に持ち込めるのでしょうか?
その答は先日紹介したナルコ…ならぬ厚労省の通称『マトリ』の公式サイトにあります。
日本語版ページには概要説明だけで製品名にまで言及する具体的な情報はないのですが、英語版ページにはこの通りFAQに…
…『持ち込みはダメよ』と。
ちなみに違法成分の合成THCを使用した『MARINOL(マリノール)』や他の違法成分を使用した一部の処方薬の持ち込みは所定の手続きを踏めば可能となっていますが、エピディオレックスや別の大麻草由来製剤『SATIVEX(サティベックス)』の場合は大麻取締法の部位規制のため、その手続の対象にもならないようです。
なかなかの徹底ぶりなのと、他の違法成分を含む医薬品で患者本人の持ち込みが許されるものとの優先順位や線引きの根拠がどうなっているかは興味深いところですが、もしかするとそれは他の多くのガラパゴス法規制と同様、政府関係者にとっても謎かもしれません。
ということで、今回もまた本題から少し外れた所まで深掘りしてしまいましたが、CBDの場合、海外では承認薬の有効成分という側面があるだけに、CBDオイルも『薬』と『サプリ』の両面を意識しつつ情報発信をしたいと思います。
では、また!
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