アマゾンではCBD販売禁止! でも…
- 2020.06.27
- 更新日:2020.10.27
- CBDオイル

こんにちは、 CBD情報局『カンナビの井戸』のカンナビです。
CBD製品ユーザーならご存じの人も多いと思いますが、ネット通販の最大手アマゾンではCBD商品が販売されていません。
いえ、正確には『ほとんど』販売されていません。
アマゾン自身による販売はもちろん、アマゾン以外のショップなどがいわゆる『マーケットプレイス』で販売する場合でも。
そして日本国内だけでなく海外でも…
アマゾンではCBD製品の販売が禁止…
アマゾンは具体的な理由を明らかにしていませんが、たとえば日本のアマゾンの場合、マーケットプレイスの『出品禁止商品例』の中に以下の記述があります。
●その他Amazonが販売を許可していない商品(以下は例)
・ゲルマニウムが含まれているサプリメント
・カンナビジオール (CBD) が含まれている商品。出典: Amazon Seller Central「制限対象商品 」内「栄養補助食品」
(適用されるマーケットプレイス: 日本)
ちなみにアメリカの場合は以下の通り、もう少し具体的に記載されています。
i. Listings for products containing cannabidiol (CBD) are prohibited, including but not limited to:
i. Full spectrum hemp oil
ii. Rich hemp oil
iii. Products that have been identified as containing CBD by LegitScripti. カンナビジオール(CBD)を含む商品の出品は禁止されています。これには以下が含まれますが、これらに限定されません。
i. フルスペクトラムヘンプオイル
ii. リッチヘンプオイル
iii. LegitScriptでCBDを含むと特定された商品出典: Amazon Seller Central「Restricted products」内「Drugs & drug paraphernalia」
(適用されるマーケットプレイス: アメリカ合衆国)
『ヘンプオイル』というのは、広義では原料に産業用大麻(ヘンプ)が含まれるオイル、狭義ではその実(種子)から作られるオイルです。
『フルスペクトラム』というのは通常、大麻のいわゆる『ハイになる』THCという酩酊成分など、CBDだけでなく大麻草に含まれる他のカンナビノイド類からテルペン類までを一通り含むタイプのCBD製品を意味します。
テルペン類は果物やハーブなど他の植物にもさまざまな種類が含まれていますが、カンナビノイド類は大麻草特有の成分で、その代表格がTHCとCBD。
そのTHCを除外したタイプは『ブロードスペクトラム』と呼ばれ、さらにCBD以外の成分をほとんど除外してCBD純度を100%近くまで高めたタイプは『アイソレート』と呼ばれています。
…でも、実はCBD製品も販売されている…
でも、実は商品名や商品説明に『CBD』という言葉が入っていないだけで、CBD製品がまったく見つからないということでもありません。
たとえばこれ。
ブランド名は『CANNABI』、ベタな日本語発音で読めば『カンナビ』。
同名ということで何やら親近感を感じます。
というか、この『カンナビつながり』ありきで、アマゾンでのCBD販売について書こうかなと思いついたくらいです。
商品名は症状などの『緩和』を意味する『Relief』。
CBDという言葉こそ使っていないものの、なかなか強気の直球です。
ちなみに、日本のアマゾンの商品説明にはこのように書かれていますが…
有機麻種子油、天然エキス| 最高品質の成分を使用して処方され、種子から最終製品までの品質チェックポイントで検証された3300mgヘンプ種子エキスは、速効性、吸収性、強力です。
…海外のレビューを見る限り、中身は普通に(?)CBDオイル。
『何が』3,300mg含まれているのかは記載されていないのがミソで、売り手と買い手の暗号通信のようなもの。
物は言いよう…というか、『物は書きよう』です。
…とはいえ、コッソリ(?)少しだけ…
ちなみにセラーというか出品者はイギリス在住のようで、この通り、現地のアマゾンでも販売されています。
また、アメリカのアマゾンにも出品されていますが、こちらは在庫切れとなっています。
さらに、このブランドには『PLUS』という商品もあり、その宣伝はさらに直球。
不安の緩和に始まり、禁煙補助、抗炎症作用によるにきび予防、鎮痛、心血管疾患予防に吐き気の緩和などが列挙されています。
ちなみに『鎮痛』の説明文は、誤って『吐き気の緩和』の説明文をコピペ(?)したままスルーしてしまうという雑な仕事ぶり。
おまけに、別の単語と差し替えるのを忘れてしまったのか、肝心の『CBD』という言葉が残っています…
さて、このような商品はアマゾンで販売される商品数からするとごくわずか。
アマゾン側とイタチごっこを繰り返しているのか、ゲリラ的に時々見かける程度なので、1ヶ月後、あるいは1週間後には警告を受けて消滅しているかもしれません。
このパターンとは別に、日本国内で正規販売されている海外ブランド製品のラベル貼り替え品と思われる商品を見かけることもあります。
また、この例では出品者は海外在住ですが、ほかにも、ある国内出品者の登録情報をたどってみると、その出品者が運営する国内ショップサイトでは同じ輸入製品がCBDオイルとして堂々と(?)販売されているケースもあります。
ちなみに先ほどの例のように、海外出品者の商品を購入する場合は個人輸入になるため、税関で見つかると、CBD製品の輸入の場合に必要となる書類を揃えることになりますが、それはかなり難易度の高いミッションになります。
…という実態を調査したのはワシントン・ポスト紙
さて、このような実態を、昨年末、アメリカのワシントン・ポスト紙が動画付きの調査記事を公表して話題になりました。
●”Amazon prohibits CBD sales, but it’s still easy to buy on the site” (The Washington Post)
なぜアマゾンがCBD規制をしているかは不明とした上で、たとえば『CBDオイル(CBD oil)』は『ヘンプオイル(hemp oil)』として商品ラベルや商品説明を工夫(?)した製品、13点を購入して成分分析しました。
CBDは基本的にはヘンプと呼ばれる産業用大麻から抽出されるため、前述の通り広義ではCBDオイルも確かに『ヘンプオイル』の一種。
ただ、一般的には『ヘンプオイル』というと、CBDを含まないヘンプ種子から作られる『ヘンプシードオイル』を連想します。
紛らわしいことこの上ない…のは、苦肉の策というよりは巧みな対アマゾン戦略なのでしょう。
検査の結果、11商品からはCBDが、1商品からはTHCも検出されたそうです。
CBD製品どころか高濃度のTHC含有製品やマリファナで無法地帯のようになっているアメリカで、なぜかストイックなCBD規制を貫くアマゾン。
そのアマゾンがCBD製品を解禁するのはいつになるのでしょうか。
ちなみにこの話、アマゾンCEOジェフ・ベゾスはワシントン・ポスト紙のオーナーというオチ(?)付きです。
では、また!
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